お世話になった杉谷役員とランチ

１１時４５分の待ち合わせに１０分前に着くと、
杉谷役員はすでに待ち合わせ場所であたりをきょろきょろ見渡していた。
僕を見つけるとにっこり笑って
「おう！元気そうやな。」

「飯行こか！」
といってスタスタと歩き出す。

今から１５年前、婦人服部長をされていた時、僕はまだ一般職だった。

今日も同じ空気感のもと後ろを歩く自分が何とも言えずうれしかった。 

心斎橋の大丸百貨店の北館に入り、

エレベーターでレストランフロアーに着くと、

またスタスタと歩き出し、奥にある鰻屋さんへ一直線。

 

店の前で

「ひつまぶし食おうか　食べれるか」

「はい」というと早速中に入り注文。

それから、いろいろご自身の近況を当時そのままの口調で語りだした。

（でも少し柔らかい口調になっていたなあ）

 話を聞いているうちに、もう一度この方の下で働きたいなあと思う自分がいた。

食事を終え、僕の近況を報告しようとすると

「タバコいこ！」といってスタスタ歩き出す。

タバコ持って来てて良かったと思いつつ後ろを歩いて行く。

 

喫煙ルームで灰皿を前に横に座らせていただき、
自分の話を一通り聞いていただいた。

 

喫煙ルームで互いにタバコをすいながら、
３０分くらい話をしていると混んで来た。

 

最後に入って来た女性が立ったままなのを見て、

またすくっと立ち上がり、

「コーヒー飲みに行こか　時間大丈夫か」

「大丈夫です」というと

      またスタスタと階を移動し、喫茶店に入る。

 

「アイスコーヒー」と注文すると

「無糖ですか　加糖ですか」と質問された返事が

「少しだけ入れて」

「じゃあ無糖で別にシロップをお持ちします」

僕も同じものを頼んだ。

 

そこからまた役員は百貨店のMDや組織についていろいろなお話をしてくださった。

お会いしてから店をでるまで約２時間あっという間のたのしい時間。

 

別れ際「無理すんなよ　からだ　きいつけえよ」と言って笑うと
くるりと 来た方向にすたすたと歩きだした。

 

僕は見えなくなるまで後ろ姿を眺め
「今あるのはあなたのおかげです」と

こころでつぶやいた。

 

マーチャンダイジング、モノをとらえる視点、発想力、企画力、人を育てるということ

バイヤー職とは　お客様とは　商売とは

これまでほんとうにたくさんのことを教えていただいている。

今日も多くの学びがあった。

またお会いする時は
もっと成長した自分を見てもらいたいと思った。